1989年横浜で開かれたリサイクル関係の小さな学習会で古繊維の回収業者から「今、古繊維が集まってこなくなり困っている」という発言があったことからである。出席していた消費者団体のメンバーは「家庭には沢山の古着や古布が余っているのに、なぜ回収業者のところに回っていかないのだろう?」と不思議に思った。
リサイクルにおいて鉄くず、古紙、ビン、缶などに比べ全体に占める量が少なく、古紙等の回収のときについでに回収されていた。しかし、鉄くずや特にボロといっしょに回収されていた古紙の需要の低迷とともに回収ルートが無くなってきた。一方、ゴミ減量化、環境保全、リサイクル社会への移行といった機運が高まる中で、ビン・缶、プラスチックなどの再資源化が行政などの手で進められていく中で、衣類が量的に少なく、焼却などでの問題が起こらないこと、分別の煩雑さなどが原因で、行政のルートからも取り残されてしまっている、といったことが原因となったためである。
業者にとっては、古着はほぼ100%リサイクル可能な商品であり、一方消費者にとっては愛着のある品物で、ゴミとして出すのに抵抗を感じる品物でもある。そこで、リサイクルされることがはっきりしている回収ルートさえ確立されれば家庭に眠っている古着を吐き出させることができるのではないか。そこで市民と業者の手で新しいリサイクルシステムを作ろうと考え、市民団体が中心となり勉強をはじめた。
1990.12に横浜市消費者の会の呼びかけで、県内の市民グループ12団体と回収業者にリサイクル問題の専門家がアドバイザーとして加わり、上記の研究会を発足させた。ここで、古着、古布だけをターゲットにした回収の仕組み作りを行うことを決めた。しかしこのようなリサイクルシステムは全国に例が無いので、実験的な試みを行い、その感触を見てみることとした。実験地区としては横浜市中区、中郡、平塚市、茅ヶ崎市の4地点が選ばれた。
1991.6. 第一回実験の取り組み
1991.9. 第二回実験の取り組み
1991.12. 第三回実験の取り組み
1992.3. 第四回実験の取り組み
4回の回収実験を行た。この回収実験でのポイントは地域である程度の回収量が確保でき、回収業者が効率よく回収して回れるかであった。即ち、この時点での採算分岐点は1日2トンで、これを回収地域で確保できるかである。この結果から、地域での宣伝、啓蒙活動を行えば市民の古着回収に対する意識が高まり、十分ターゲットをクリアーできる見通しが得られた。そこで、地域でさまざまな団体からなる地区連絡会ができれば、ある程度の回収量が見込めると考え、正式にファイバリサイクルネットワークを設立し、神奈川県内全域でのネットワーク作りを目指すこととなった。
1992年 6月 ファイバーリサイクルネットワーク 正式発足(設立総会)(6/20)
設立に当たり、継続性のあるシステムとして機能することを考え
・しっかりした事務局機能を持たせる。
・みんなが気軽に楽しく参加できる
を目指して仕組み作りが行われた。
1992.6 ファイバーリサイクルネットワークの回収事業開始(回収拠点14カ所)
.8 平成4年度横浜地域研究費補助金事業
☆1992年の地域数 13 拠点数 71 回収量 97トン
1993.3 第2回総会
.6 地球環境基金の助成決定(95年度まで継続) 反毛機購入
.9~1994.3 通産省依託事業「故繊維のモデルリサイクルシステム」事業開始
(モデル地区は横浜市港北区)
☆1993年の地域数 19 拠点数 156 回収量 156トン
1994.3 第3回総会
通産省モデルリサイクル事業終了 報告書作成
環境庁地球環境基金で、軍手編み機を購入
.6 千葉での回収実験開始
.9 御殿場での回収実験開始
.12 (財)横浜女性協会との共催「ラオス伝統織物の展示展と学習会」
(フォーラムよこはま)
☆1994年の地域数 24 拠点数 214 回収量 212トン
1995.3 第4回総会
.4 「アースデイ・フェスティバルinこどもの国」に参加
(第1回国内リユース実験) 横浜市環境保全活動助成金
第1回研修旅行(名古屋〔中部リサイクル運動市民の会〕・岡崎 27名参加)
(千葉でファイバーリサイクルネットワークが正式発足)
.10月 「暮らしを見直す展示会」(横浜そごう前)参加
.11月 「横浜市リサイクルフェア」(横浜文化体育館)参加
☆1995年の地域数 24 拠点数 296 回収量 251トン
1996.2 通産省モデルリサイクル事業:化学繊維回収事業(モデル地区は茅ヶ崎市)
.3 第5回総会
.6 第2回研修旅行(山形〔日新工業…ルーフィング工場〕)
☆1996年の地域数 24 拠点数 293 回収量 300トン
1997.3 第6回総会
.3 「市民活動フェア」(かながわ県民センター)参加
.10 「はまごみフォーラム'97」(パシフィコ横浜)に参加
☆1997年の地域数 25 拠点数 296 回収量 322トン
1998.2 リサイクルショップ検討委員会発足
.3 第7回総会
「市民活動フェア'98」(かながわ県民センター)参加
地球市民のつどい「プラザ春まつり'98」(地球市民かながわプラザ)参加
.7 第4回研修旅行(岡崎 40名参加)
Shopプロジェクトチーム発足(リサイクルショップ検討委員会改め)
.9 FRNシンポジウム「ファイバーリサイクルネットワークの昨日、今日、明日」開催
(会場:品川国民生活センター)
ファイバーリサイクルネットワーク:市民による古着・古繊維回収活動の今後(研究誌)発行
.10月 「リサイクルフェスタよこはま'98」(横浜文化体育館)参加
☆1998年の地域数 28 拠点数 315 回収量 394トン
1999.2 第8回総会
.3 アリスセンター内から新事務所に移転
第1回「リサイクルきものフェア」開催(3/2)(来場者300名)
.7 日本青年会議所サマーコンファレンス(パシフィコ横浜)参加
.9 第2回「リサイクルきものフェア」開催(9/20~21)(来場者600名)
.10 「リサイクルフェスタよこはま'99」(パシフィコ横浜)参加
「フォーラムまつり」(よこはま女性フォーラム(戸塚)参加
☆1999年の地域数 29 拠点数 306 回収量 482トン
2000.3 第9回総会 事務所を南区宿町の大和ビルに移し、アリスセンターから独立
「市民活動フェア」(かながわ県民センター)参加
.4 NHK「おはよう日本」に生出演
第3回「リサイクルきものフェア」開催(4/11)(来場者1000名)
.5 「アースデイかながわ」(神奈川県 自治研センター)参加
.9 第4回「リサイクルきものフェア」開催(9/26)(来場者1000名)
ラジオ日本「金時のかながわ見聞録」出演
.10 「リサイクルフェスタよこはま2000」(パシフィコ横浜)参加
環境保全局リーダー養成研修の講師
.11 戸塚地区子供会 来所(文部省委託 全国子供会地域活動推進事業)
.12 FRNのホームページを開設
☆2000年の地域数 29 拠点数 303 回収量 488トン
2001.1 かながわ地球環境保全推進会議主催「ストップ!温暖化の集い」で発表
.2 第10回総会
.2 浦和市コミュニティーづくり推進委員会 来所
.3 横浜市環境事業局と話し合い、横浜市長宛に公開質問状提出
「市民活動フェア2001」(かながわ県民センター)参加
.4 NHK「特報首都圏」取材(4/13放映)
第5回「リサイクルきものフェア」開催(4/30)(来場者1000名)
.6 緊急シンポジウム「循環型社会それぞれの思惑」(フォーラムよこはま)
(ファイバーリサイクルネットワーク千葉解散)
.8 経済産業省製造産業局繊維課の「繊維製品リサイクル懇談会報告書」に対して
パブリックコメントを提出
.10 「リサイクルフェスタよこはま2001」(パシフィコ横浜)参加
「リサイクルデザインフォーラム・子供環境会議」講師
「フォーラムまつり」(よこはま女性フォーラム(戸塚))参加
.11 横浜市立戸塚中学校「交流授業」講師
第6回「リサイクルきものフェア」開催(11/22)(来場者1200名)
☆2001年の地域数 28 拠点数 285 回収量 397トン
2002.2 神奈川県消費生活課の「消費者団体研究活動等奨励事業」に指定
.3 第11回総会
.4 カタログハウス発行の「通販生活 夏号」にFRNの活動紹介
第7回「リサイクルきものフェア」開催(4/11)(来場者1000名)
.5 講習会&皐フェア(5/16)FRN事務所
.6 「FRN設立10周年記念シンポジウム」
(かながわ県民センター会議室)基調講演”日本の繊維製品リサイクルの方向性”
経済産業省山田剛士氏 パネルディスカッション
講習会&あじさいフェア(6/19)FRN事務所
.7 10周年記念研修旅行 岡崎の繊維リサイクル加工業の工場見学
横浜市市民活動支援センターの「夏!市民活動体験塾」で学生を受け入れ
講習会&ほうずきフェア(7/24)FRN事務所
.8 講習会&あさがおフェア(8/8) FRN事務所
.9 FRN設立10周年記念誌のための座談会 実施(9/3)
.10月 「リサイクルフェスタよこはま2002」(パシフィコ横浜)参加
第8回「リサイクルきものフェア」開催(10/31)(来場者1000名)
.11 神奈川新聞社「神奈川地域社会事業賞」受賞
講習会&もみじフェア (11/21)FRN事務所
.12 国民生活センター主催「全国消費者フォーラム」で発表(アルカディア市ヶ谷)
講習会&さざんかフェア(12/11)FRN事務所
☆2002年の地域数 26 拠点数 276 回収量 316トン
2003.2 展示と講習会「もうすぐ春ですねぇ」(2/23~3/3)フォーラムよこはま
(ランドマークタワー13F)
.3 第12回総会
綿's倶楽部との感謝のつどい (3/1)
.4 第9回「リサイクルきものフェア」開催(4/22)(来場者900名)
.6 研修「FRNの目指すべき方向性について」(6/30)
講師 (株)中野聡恭社長
「横浜市環境月間パネル展示」市民活動支援センター(6/9~6/15)
.8 藍染め講習会(8/9)FRN事務所
.9 展示と講習会「布あそび展」(9/30~10/6)フォーラムよこはま
(ランドマークタワー13F)
.10 和布の講習会(10/3)FRN事務所
南区民まつり「ふれあい南なんデー」に参加(10/5)
.11 第10回「リサイクルきものフェア」開催(11/18)(来場者1200名)
☆2003年の地域数 24 拠点数 251 回収量 251トン
2004.2 展示と講習会「よみがえる古布古着」(2/24~3/1)フォーラムよこはま
(ランドマークタワー13F)
.3 第13回総会
横浜里山研究所主催「旧奥津邸イベント べべ着て遊ぼ!」に協力
.4 第11回「リサイクルきものフェア」開催(4/20)(来場者950名)
.11 第12回「リサイクルきものフェア」開催(11/2)(来場者900名)
蒔田中学校3年生10名 先生1名 選択授業で来所(11/4)
☆2004年の地域数 24 拠点数 230 回収量 206トン
2005.2 展示と講習会「よみがえる古布古着」(2/22~2/28)フォーラムよこはま
(ランドマークタワー13F)
.4月 第13回「リサイクルきものフェア」開催(4/19)(来場者950名)
.5 南区市民活動センター オープニングイベントに協力(5/22)
.6 秦野南高校環境講座 講議と体験学習(さき布ぞうり)(6/14)
ファイバーリサイクルネットワークのボランティア説明会(6/22)
☆2005年の地域数 23 拠点数 162 回収量 125トン
2006.3 まいたエコサロン(プレイベント)(3/21)
.4 第15回「リサイクルきものフェア」開催(4/18)(来場者950名)
.7 「木綿の夏」(フォーラム南太田と連携)(7/7,7/8,7/9;参加者200名以上)
.10 第16回「リサイクルきものフェア」開催(10/24)(来場者;860名)
リサイクルデザインフォーラムに参加(10/22) カードケース講習会
☆2006年の地域数 23 拠点数 138 回収量 トン
2007.4 第17回「リサイクルきものフェア」開催(4/25)(来場者;1000名)
.7 「木綿の夏」(フォーラム南太田との協同事業)(7/7,7/8;参加者 名)
.8 横浜開港150周年プレイベント・ECOインランドマークプラザ「市民スクエア」に参画
.10 リサイクルデザインフォーラムに参加(10/22) カードケース講習会
.11 第18回「リサイクルきものフェア」開催(11/1)(来場者;750名)
■受賞:環境大臣賞(循環型社会の形成推進に貢献)(10/18:於北九州)
☆2007年の地域数 17 拠点数 106 回収量 108トン
2008.3 「まいたエコサロン」(オープン)(3/6)
.5 第19回「リサイクルきものフェア」開催(5/20)(来場者;720名)
.7 「木綿の夏」(フォーラム南太田との協同事業)(7/5,6;参加者250名)
.9 ライフデザインフェア2008に参画:パシフィコ横浜;梅の花ミニストラップ製作
.10 まいたエコサロン秋まつり(10/4,5):着物着付け、小物製作
リサイクルデザインフォーラムに参加(10/26) 講習会;アサリの吊るし金魚制作
.11 第20回「リサイクルきものフェア」開催(11/6)(来場者;540名)
☆2008年の地域数 17 拠点数 101 回収量 103トン
2009.2 「まいたエコサロン」連続講座 古布を使用した「3月のお雛様一対」(2/19)
.3 和布講習会(フォーラム南太田と協同):お雛様(2/6、13)、桜のつるし飾り(3/2、13)
.4 第21回「リサイクルきものフェア」開催(4/28)(来場者;620名)
.7 「木綿の夏」(フォーラム南太田との協同事業)(7/4,5;参加者60名)
.8 横浜開港150周年(9/12,13 ヒルサイド):体験コーナー 金魚の釣り飾り講習会
.10 リサイクルデザインフォーラムに参加(10/25) 講習会:金魚の吊り飾り
まいたエコサロン 秋まつり(10/24):着物の着付け
.11 第22回「リサイクルきものフェア」開催(11/10)(来場者;650名)
☆2009年の地域数 17 拠点数 83 回収量 100トン
2010.2 和布講習会(フォーラム南太田と協同):お雛様作り(2/12、2/19)
.3 和布講習会(フォーラム南太田と協同):裂き布ぞうり(3/19)
.4 第23回「リサイクルきものフェア」開催(4/21)(来場者;610名)
.6 和布講習会(フォーラム南太田と協同):裂き布ぞうり(6/4)
.7 「木綿の夏」 (フォーラム南太田と協同)(7/1,2;参加者400名)
.9 和布講習会(フォーラム南太田と協同):裂き布ぞうり(9/10)
.10 リサイクルデザインフォーラムに参加(10/31) 講習会:金魚の吊り飾り
. 第24回「リサイクルきものフェア」開催(10/19)(来場者;750名)
.11 和布講習会(フォーラム南太田と協同):干支うさぎの置物講習会(11/12、19)
■受賞:リデュース・リユース・リサイクル推進功労者表彰を受賞(10/26)・・3R推進協議会
☆2010年の地域数 17 拠点数 80 回収量 91トン
2023年春のリサイクルきものフェア
会場の風景
会場風景